不動産売却で複数社に査定を依頼する理由は？査定の比較ポイントもまとめてご紹介

複数社に査定依頼する意義と基本ポイント

不動産をより高く売却するためには、まず複数の不動産会社に査定を依頼することが非常に重要です。査定額には会社ごとに差があり、複数の査定を比較することで「本当に適正な相場価格」を把握できます。簡易的な机上査定（いわゆる概算）と、現地確認を伴う訪問査定（詳細査定）の双方を活用することで、より精度の高い判断が可能になります。

たとえば、机上査定では所在地・面積・築年数などの基本情報をもとに、過去の取引事例や公示価格などから価格を算出します。そのため、査定結果が短時間で得られ、複数の不動産会社に気軽に依頼できる点が大きなメリットです。ただし、物件の状態や周辺環境など現地でしか分からない内容は反映されにくいため、「あくまでも参考値」として位置づけるのが適切です 。

一方、訪問査定では、不動産会社の担当者が現地を訪問して土地の形状、接道状況、日当たり、内外装状況、法令制限などを確認します。その結果、机上査定よりも精度の高い価格が提示され、売り出し価格の設定や媒介契約の判断に非常に有用です 。

適切な査定依頼数の目安は、まず机上査定を3〜5社程度に行い、その上で信頼できる会社を2〜3社に絞って訪問査定を依頼する流れが効率的です。こうすることで、相場の把握と精査をバランスよく進められます。なお、無料で査定を依頼できる点も、売主にとって大きなメリットです 。

以下は査定方法と依頼の流れを簡潔にまとめた表です：

一括査定サービスの賢いやり方

まず、一括査定サービスは、ご自身がいくつもの不動産会社に問い合わせる手間を省き、まとめて査定依頼できる便利な仕組みです。一度、物件情報を入力すれば、複数社から査定価格や売却プランの提案を受け取れますので、効率よく比較検討ができます。費用もかからず、売却相場や信頼できる会社を知る第一歩として活用できます。

ただし注意点もあります。一括査定を通じて複数社に依頼することで、電話やメールなど連絡が一度に多数届くことがあり、対応が大変になる可能性があります。また、参加していない地元の小規模な会社には査定を依頼できないこともあるため、バランスよく選ぶことが大切です。

そのため、一括査定を使いつつ、以下のように大手企業と地域密着の中小企業を組み合わせて依頼することをおすすめします。大手は広告力や情報網が強み、地元企業は地域特性や個別対応に優れています。それぞれの強みを活かし、公正な比較ができる構成を意識して査定を依頼するとよいでしょう。

査定結果の比較と見極め基準

不動産の査定結果を比べると、査定額だけでは判断しづらいものですが、以下のポイントを押さえることで信頼性の高い判断ができます。

まず査定額だけで判断せず、根気よく比較することが大切です。査定額が特に高い場合は、その理由（類似取引事例、特別な利点、流通市場の需給など）を必ず確認してください。根拠が曖昧な場合は慎重になるべきです。

また、「対応の丁寧さ」も評価軸に入れるようにしましょう。電話やメールでのやりとり、説明の分かりやすさ、提案の具体性などは、売却活動全体の進行に大きく影響します。複数社を比較することで、営業姿勢や誠実さを見極める機会になるのです。

査定結果を通じて、ただ「高く売れるかどうか」だけでなく、その後の売却成功につながる条件を見極める姿勢が大切です。価格に加えて対応の質や根拠の明確さを総合的に比較することで、より安心できる売却が可能になります。

査定から媒介契約へ進めるステップ

複数の不動産会社に査定を依頼した後、媒介契約へと進む際の流れにはポイントがあります。まず、査定結果を比較し、自身の希望条件や物件に合った対応・提案をしてくれる会社を選ぶことが重要です。信頼できる業者かどうかは、査定額のみならず、説明の丁寧さや根拠の明確さ、連絡対応の速さなどから判断しましょう。

その際に選ぶ媒介契約の形に「一般媒介契約」を活用する方法があります。これは複数の不動産会社と同時に契約できる自由度の高い形態で、囲い込みを防ぐ効果や、複数社による競争でより高値で売却できる可能性があります 。ただし、販売活動の熱量や情報の報告が得られづらいという点もありますので、自ら進捗確認をするなど注意が必要です 。

このような媒介契約の違いを一覧にまとめました：

さらに、自社ホームページからの問い合わせにつなげるには、こうした媒介契約の種類を分かりやすく紹介するとともに、「まずはご相談を」「お試しで査定だけでも」などの文言で、気軽に連絡できる雰囲気を演出することが大切です。メールや電話だけでなく、資料請求フォームや相談予約機能への導線を自然に組み込むと、問い合わせへのハードルが下がります。

まとめ

不動産の売却を成功させるためには、複数社に査定を依頼し、相場感や適切な販売条件を見極めることが重要です。簡易査定や訪問査定など、各社ごとの査定方法や対応を比較し、納得できる業者を選ぶことが後悔しない売却への近道です。一括査定サービスを活用すれば、効率よく複数社の査定結果が得られますが、対応の手間や連絡の多さにも注意が必要です。査定額に惑わされず、対応や説明の分かりやすさも評価しながら業者を選びましょう。自分に一番合った業者と契約することで、より高く、納得のいく不動産売却を目指すことができます。